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神社の格式について解説

神社の格式について解説

愛宕神社の鳥居(筆者撮影)

御朱印集めが趣味で毎週のように神社参拝している筆者が今回は神社の格式について解説してみたいと思います。

皆さんも神社に参拝した時に神社の案内や社歴などを見たときに社格式内社や○○国一宮等の神社の説明を見たことがあるかと思います。

しかし、どういった意味があるのか知らない方も多いかと思うので今回は解説していきたいと思います。

 

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式内社

伊和志津神社の案内(筆者撮影)

式内社とは、延喜式神名帳に社名が載せられた神社になります。

延喜式神名帳平安時代に編纂されたもので当時すでに官社として認定されていた神社がまとめられてます。

延喜式神名帳には日本全国の神社が記載されており、当時の朝廷が特に重要な神社であると認めた神社で、その格式を「社格」といいます。

式内社平安時代以降に建てられた神社とは異なり、由緒ある神社として存在してきました。

ちなみに、式内社以外の神社は「式外社」と呼ばれます。

 

②近代社格制度

近代社格制度は明治維新以降に延喜式神名帳に倣って作成されました。

この制度では新たに神社を等級化した制度です。

この制度は第二次世界大戦後に廃止されましたが現在も「旧社格」の名称で神社の格を表す目安とされています。

この制度は第二次世界大戦後のGHQ神道指令により神社の国家管理が廃止されたことにより近代社格制度も廃止されることにされました。

制度の廃止に伴い神社の石の社名標の社格が彫られている部分をセメントで埋めた神社が多くあり現在でもそのままにされている神社も多くあります。

近代社格制度では社格を官社と諸社(民社)、無格社に分類しています。

しかし、伊勢神宮は「すべての神社の上にあり、社格のない特別な存在」とされました。

1、官社

官社とは祈年祭新嘗祭の時に国から奉幣を受ける神社の事です。

官社には神祇官が祀る官弊社と地方官(国司)が祀る国弊社に分けられていました。

官弊社は二十二社(国家の重大事や天変地異の時に朝廷から特別な奉幣を受けた神社で白河天皇の時代に確立されたとされています)や天皇・皇族を祀る神社等朝廷に縁のある神社が官弊社とされています。

国弊社は各国の一宮や地方の有力神社が中心に定められています。

両弊社に大きな差異はありませんが、例祭の時に官弊社には皇室から、国弊社には国庫から幣帛が供進される点が異なります(祈年祭新嘗祭では両弊社ともに皇室から奉幣を受けます)。

官社の社格は官弊社の方が国弊社よりも格が上とされ、それぞれに大・中・小の順に格が下がるとされています。

しかし、官弊中社と国幣大社でどちらが上かなどの明確な規定はありません。

2、別格官弊社

国家に功績を挙げた忠臣や、国家のために亡くなった武将・兵士などを祭神として祀る神社のために創設されたのが別格官弊社が設立されました。

創設は明治5年に楠木正成主祭神とする湊川神社が初の別格官弊社に列格したのが最初となります。

別格官弊社の待遇は官弊社と同じとされていますが国幣小社より上位とされた規定はありません。

なお、臣下であった菅原道真主祭神とする天満宮天神信仰によって祭神である菅原道真は雷神と同一視されたため、北野天満宮太宰府天満宮は例外的に別格官弊社ではなく官弊中社に列せられています。

また、明治4年に神奈川県の伊勢山皇大神宮が神祇省の通達で列せられていますが正式な社格ではありませんでした。

 

3、諸社

県社の名称が入った岩屋神社の案内(筆者撮影)

諸社は府県者・郷社・村社に分離されます。

府県者は府、県、台湾の州、台湾、北海道、樺太の庁から奉幣を受けていた神社になります。

郷社は、府県、郡、市から奉幣を受けていた神社になります。

村社は市町村から奉幣を受けていた神社になります。

このように諸社は当時の各行政区から奉幣を受けていた神社になります。

また、諸社の制定当時には藩社があり藩から奉幣を受けるとされていましたが指定される前に廃藩置県により藩が廃止されたため指定された神社はありませんでした。

当時日本領だった朝鮮の「道供進社」は朝鮮の道から、「府供進社」は朝鮮の府から奉幣を受け、内地の府県社に相当しました。

当時、北海道と樺太は県ではないものの県社とされ、また東京都が誕生した時には都社が創設されず府社の名称がそのまま使用されました。

 

③その他の社格

1、一代一度大神宝奉献

新たに天皇が即位した際に宝物を奉納する50の神社の事を言います。

始まりは任那4年(888年)とされています。

当時から深く信仰されていた神社で現代まで続いている神社が指名されており全国の神社が広く指名されています。

 

2、一宮

一宮の名称が刻まれた出雲大神宮の碑(筆者撮影)

新たに国司に任命された官吏が赴任した際に赴任した国で一番最初に参拝することになっていた神社になります。

旧国名の中で最も格式がある神社になります。

一宮について明確な説明がされている書物がないことから一宮を名乗る神社の中には自ら名乗る神社もあったとされています。

この為、旧国の中には複数の一宮がある国もあります。

 

④まとめ

神社は古くから信仰の中心にあった崇拝の対象でした。

この為、神社の社格は古代から近代にかけて変化してきておりその時代ごとに異なる社格が設けられてきました。

この為、長い歴史を有する神社ほど時代ごとに様々な社格を授けられています。

社格は神社を知るうえで重要な手掛かりになりますので参拝される時には是非社格にも注目してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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